抜けるような青空にポカポカ陽気。まわりはまだ寒さ深まる中、女優,鳥居かほりさんが一歩旅へ出ればそこは初春。伊豆半島はもう春の装いを見せていました。伊豆ならではの冬の恵みを食べ尽しながら、さらには春をも先取る、魅力いっぱいの旅です。
下田市「サザエ突きん棒漁」 満開に咲き広がる水仙の群生地「爪木崎」を出発して鳥居さんが向かった先は下田市。ペリーが上陸した事で知られるこの港町では、なんと言っても恵まれた地形を生かした漁業が盛んです。親子二人で漁をしている漁師の小沢さんに、この時期沿岸で行われる「サザエの突きん棒漁」に連れて行ってもらいました。突きん棒漁とは、サザエやトコブシ、アワビなどを、先端に鉤を付けた4メートルほどの竹竿で挟み上げる漁の事。箱メガネを使って海の底に潜むサザエを見つけ、長い竿で素早く正確に挟む。正に針の穴を通すような技術が必要な漁です。 前日までの低気圧の影響でうねりの残る波の中、漁業へつくと合図もせずに早速漁がスタート。サザエを突き立てる父の重三郎さんと、父親の出す指示どおりに舵を取り巧みに舟をコントロールする息子の正道さん。ぴったりと息の合った親子の連携プレーで次々とサザエを獲っていきます。その見事な技を隣で見せられると鳥居さんも徐々にヒートアップ!次々に獲れるサザエに「やったー」「獲れたー」「ビンゴー!」などなど、大きなはしゃぎ声が海原に響き渡った事は…言うまでもありません。 漁が終わったら食事。小沢さんたちが用意してくれたのは、獲れたての焼きサザエや焼きアワビの他に、「いけんだ煮味噌」と呼ばれるこの辺りの伝統的な漁師料理。新鮮な魚介類を豪快かつふんだんに使った鍋を初春のような青空の下で食べる。それはもう、えもいわれぬ幸せ。