残暑お見舞い申し上げます。ということで、行って参りましたのは北海道、南部の有珠山、洞爺湖周辺であります。今回は幾年もの時を越えて今に残る円空仏、アイヌ民俗文化を辿りつつ、「広い大地、豊かな大自然」とはまた別の北海道の奥深い一面に、作家の立松和平さんが会いに行きます。晴れ渡る青空の下、その輪郭をくっきりと露にする駒ケ岳、羊蹄山を眺めながら白老町から八雲町まで。そこには、遥か昔にこの地に生きた円空というお坊さんが「今」に向かって馳せたであろう思い、そして、その今の時代に生きる人々がこの先の未来へ向かって抱く夢の数々があったのでした。
道南の円空仏 円空仏とは、江戸初期の僧侶・円空がその生涯で12万体も彫ったといわれている仏像のことです。鑿(のみ)で荒く彫るだけという独特な彫法が特徴的といわれており、今も日本各地に残されています。北海道に残っているものの内、伊達市の善光寺、豊浦町の小幌洞窟、登別市の地獄谷の3ヵ所に残されている円空仏を今回は訪ねて歩きました。特に豊浦町の小幌洞窟は、あまりに断崖絶壁に囲まれた場所にあるために陸路でのアクセスが困難だということで、地元の漁師さんのご協力を頂戴し、いざ海路から!漁船で海原をいくこと30分、途中で小舟に乗り換えて狭い入り江に進入、接岸。やっとの思いでたどり着いた海岸にある洞窟の中でひっそりと佇む円空仏。人々の祈りを受けとめ続けてきたそのお姿の、ずっしりとした存在感に、立松さんも感無量のご様子でした。