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(c)安野 光雅
  みどころ  
 


1700回、34年と言えば長いことは長い、でも番組を制作している私たちにとっては、実はそんなに長くやっているという気分ではないのです。折あるごとに書いたり、取材に答えたりしてきた事ですが「厭きるなんて言うことは全く無いのです」「そんなに全国を歩いていたらもう行く所なんか…いえいえ、まだまだ幾らでもあるのです」「同じ場所に行ってもネタに困ることなんか無いのです」…なんて言いながら「日本は広いなぁ」を実感しながら旅を続けていますが、じつは気になっていることは沢山あるのです。
変わってしまったもの、無くなってしまったもの、後継者問題が気になる技の数々、変わってしまいそうな風景………そんなこんなの気になることに出会うと私たちは番組の中で出来るだけ記録してきたのですが、今回もそんなことをテーマに1700回目の旅を二回に亘って歩いてみました。そして脇役は春休みになってあちこちで運行されている蒸気機関車・SLと桜です。
SLの走る里で見たり聞いたりした素敵な仕事、素敵な言葉で綴る「日本の旅」です。出発進行!!

 



 










         
 


D51498

羽越本線新潟〜村上を3月に走りました。太平洋側では桜便りが話題になっていましたが、こちらは雪が降ったりやんだりの越後平野でした。SLの運行に関わる人というと、旧国鉄時代の熟練の機関士さんというのが多かったのですが、最近は若い職員も増えて蒸気機関車を走らせる技術は引継がれているようで、若い検査係の頼もしい言葉が聞けました。(写真:撮り始めるときりが無いのがSLの写真、ロケの合間と言うことで、この位でお許し頂いて走る姿を放送でお楽しみ下さい。)

 

 





 









 
 


村上の技二題

まずは「村上木彫堆朱」木彫りした生地に直接朱の漆を塗り込めていくものといったらよいでしょうか。村上に伝わる宮大工と漆職人との技が作る村上独特の伝統工芸と言われています。子供が彫った箸に漆を塗って送ってあげたら、その子から御礼のはがきが来て「僕も将来こんな仕事をしてみたい」という言葉を貰ったのがとても嬉しい「この仕事がこんな風にみんなに伝わっていけばいいね」という職人さんの笑顔が素敵でした。 

そして次は食の技「塩引き鮭」、その名の通り生身の鮭に塩を擦りこんで作る伝統の味です。これを作るのは家庭の親父の仕事と塩引き鮭の老舗のご主人吉川さんがお話してくれました。この食材作りは日本の伝統の家族関係を教えてくれます。詳しくは放送で吉川さんの名調子と共にお聞き下さい。

( 写真上:本来は分業の木彫りと漆を一人で行う貴重な小田さんの仕事場です。 / 写真下:3月に塩引きして9月まで半年余りじっくりと熟成させます。)



 








 
         
 
旅は雪の新潟から桜咲く熊本へ

8600型が走る肥薩線で八代から人吉へ
(写真:球磨川沿岸を走る58654)






 


 
         
 
肥後の伝統工芸「肥後鍔」

今では美術品としての伝統工芸ですが、鉄錆の感じを出したり、材料が砂鉄から作る玉鋼で透し彫りと言う手法が特徴で、仕上げるのに3ヶ月も掛かるという根気の要る仕事です。日本の伝統技術がこういう風に個人の努力でかろうじて守られているものが他にもあって、気になる毎にお伝えしていこうと思いますが後継者が続けば良いと思います。(写真:江戸時代のものの復元は簡単な文様ほど難しいんだそうです。)

 
 
         
 
お茶の老舗

人吉の特産品がお茶、江戸時代にはお茶一升で米四升が買えたという貴重品だったそうです。明治10年創業のお茶店舗でお茶作り、美味しいお茶の入れ方などを伺いました。火入れの良し悪しでお茶の美味しさが決まるんだそうですが、その見極めは勘なんだそうですが、燃料が薪からガスに変っても、火に聞くんだそうです。「もう、黙ってお茶に聞くんですよ、今かい、今かいって・・・」職人ならではの言葉と感じ入りました。
 この場面で天井に注目して下さい。何故か天井が白いのです。何かが付いてこうなったのですが、果たして何が・・・(写真:一寸だけ途中の作業を体験させて頂きました。)

   
         
 
郷土玩具きじ馬

写真でご覧のように良く見かけるおもちゃですが、息子さんが三代目を継ぐ事で修業を始めた住岡さんの工房で仕事を拝見しました。適当な反りを持った丸太を一刀彫りで、それもなた一本で数分の内に形を作り上げてしまうという技にひたすら感心するばかりです。
 「どこに刃を入れるかは勘ですね。慣れてくると目が刃になるんですよ」「刃が教えてくれるんです」と二代目の父親、「三代目でなくなっては申し訳ないと思って・・・」「ふるさとを想い出して貰えるのが嬉しいですね」と跡取りの息子さん。親子2代の仕事振りと素敵な言葉を是非放送でご覧下さい。(写真:三代目の仕事を見守る二代目)
   
         
 
SLの走る里で聞いたり見たりした「日本の旅」1700回目の番組、今の日本で聞いたり見たりしたそんなこんなの人々の仕事や言葉。後継者だったり、風景だったり、家族を思い浮かべながらご覧頂ければ嬉しいです。次回はSL運行が始まって25年の山口線から渡辺さんの旅です。どうぞお楽しみに。


 
 
 
 
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