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(c)安野 光雅
  みどころ  
 


「横丁を曲がれば、そこに何かの出会いがある」いつもの決め台詞で始まった渡辺文雄さんの旅、今回は山形県天童市がスタート地点です。







渋い表情の渡辺さん。実は番組スタッフの間では「笑顔の渡辺さんをカメラにおさめた者にはご褒美がでる」と言われるほど。とても暖かい人柄の渡辺さん、笑顔も素敵なので、いつか満面笑みのスナップをホームページでも紹介したいなぁとスタッフは皆思っています。

 



 










         
 


将棋の歴史

山形県天童市は江戸時代には織田藩二万石の城下町、実は天童は知る人ぞ知る将棋の町です。江戸時代下級武士の手内職として駒作りが発達し、今や全国シェアは95%。 「将棋の館」では平安時代の大将棋から始まる各時代の様々な将棋の盤や駒を見ることができます。



駒木地作り

駒作りは大きく2つに分かれます。原料の木を駒にする木地作りと、その駒に文字を入れる仕事です。どちらも150年の歴史を持つ伝統の技。木地師の吉田重夫さんが一刀両断で決める駒の表面のなめらかさ、形を整える際の木地がそがれる音、目を見張り耳を澄ませこの道50年の職人技にただ驚くばかりです。


 



木地を一刀両断する音は「カパーッン」。形を整える音は「ジョリッ、ジョリッ」どちらもいい音です。



 
 


書き駒

書師(かきし)とは仕上がった木地の駒に文字を書く職人さんの呼び名です。絵筆を持ち、本漆でひと駒ひと駒手書きの作業です。この駒に文字を直接書く、書き駒が天童駒のルーツ。書き師、伊藤太郎(仁寿)さんの仕事場にお邪魔してお話を伺います。

 


 



長年使い込んだ松の机、丁度手のあたる箇所はなめらかに木が減っています。この減りを防ごうと、机の素材を固いヒノキなどにかえると、駒の仕上がりがいまひとつになるのだとか。


 
         
 
彫駒

大正時代になると将棋は益々盛んになり、文字を彫刻刀で彫る彫駒(ほりごま)が作られるようになります。なかでも高級品といわれる駒の材料は全て黄楊(つげ)なんだそうです。彫師の国井孝(天竜)さんは、文字が書かれた字母紙(じぼし)という紙を駒に貼り、 小刀でその輪郭を彫り、彫った後で本漆をさしていきます。書き駒にひと手間加えた高級品の駒が出来あがりです。

盛上げ駒

彫駒の上の文字に更に本漆を重ね、字体を浮き上がらせていくのが盛上げ駒と呼ばれる 最高級品。漆を乾かしては塗る、という作業を切り返し、完成にはひと月を要します。 プロのタイトル戦にはこの盛上げ駒が使われます。盛上げ師の桜井和男(掬水)さんが 駒に描く文字は堂々として品があって本当に素晴らしいものです。





 




 
         
 
りんご農園

天童市はサクランボをはじめ果樹栽培の盛んな町です。この季節果樹園で行われる作業がリンゴの摘花(てきか)、花を間引く仕事です。青森や長野という協力なライバルがいる リンゴ市場で、山形のリンゴのうりは「糖度」なんだそうです。色や見た目では負けるけど、味で勝負。これからはスーパーで、山形産のリンゴをまず探してしまいそうですね。





 





さて、どの花を摘めばよいのか?かたまって咲いているグループの真中の花を残すのだそうです。





 
         
 


東根市は江戸時代、宿場町として賑った町で、かつてこの辺りで盛んに栽培されたのが紅花と小麦。その小麦から作られる麩がこの地の名物です。 江戸時代末期創業のお麩屋さん、文四郎麩では、つい料理の脇役になりがちな麩を主役にした麩懐石料理をいただくことができます。もうひとつ、なんとかして食べてみたいと思わせるのが焼きたての車麩。こんがりふっくらとした香りが画面を通して伝わってくるよう、できればバターで…という感じです。

 


麩懐石料理は女性に人気。



車麩は機械の棒に原料を巻きつけ、焼き上げます。



出来あがりはまるでパン。出来たての味もまさに高級フランスパン、なのだそうです。

 
         
 
ニット工場

寒河江市、この地の特産はニット製品や毛織物。市内だけでも20社、山形盆地を走るJR左沢(あてらざわ)線周辺では200社のニット工場があります。 今回はそのひとつ、ニットオカザキという会社を訪ねます。こちらの売り物が無縫製、つまり繋ぎめのまったくないニット商品。コンピューター制御の最新式の機械からツルツルとすべり出てくる見事さ!本当にアッ、という間の出来事です。ボタンの穴やステテコの股部分も縫い目無し。そもそも夏でも着れるサマーニットを開発したのがこの山形。 思いがけないところで、ニットにかける情熱に出会いました。



 

 
         
 
手織り絨毯


山辺(やまのべ)町も明治以降ニット製品や織物の町として栄えたところです。 この町に中国伝来の絨毯を作る工房があります。 オリエンタルカーペットは昭和10年に中国から職人を招き、もともとあった毛織物の技術を生かした絨毯を作り始めました。原寸図をもとに、すべて手作業で織り込まれる色鮮やかな絨毯、点で画を描いていく緻密な作業です。このらの工房の展示室では「職画」という絨毯の画を拝見できます。微妙な色のグラデーション、光りや影、にじみ、西洋のものから日本のものまで元の原画そっくりの職画に目を奪われます。
 

作業のスピードの速さにびっくりです。縦糸の間に横糸を八の字に通して手前でチョキン、これを繰り返します。






大きな作品の時はチームを組み、息を揃えて作業を進めます。

 
         
 
今回の旅、サクランボ、リンゴなどの果樹の木陰で渡辺文雄さんは思いもかけないもの、素晴らしい匠の技に出会いました。常に旅に出会いを求め探しつづける、その精神がさらなる新しい出会いをひきよせているかのようです。知らない町で知らなかったことを知り「へぇー」と驚く、まさに旅の醍醐味ですね。梅雨の合間を狙いつつ、皆様もどうぞ旅に お出かけ下さい。雨に洗われた緑の美しさもまた格別です。
 

 
         
         
 
 
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