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(c)安野 光雅
 

みどころ

 
         
 

今回旅してくれたのは、築地の魚河岸に嫁いで18年という声優でエッセイストの平野文さん。いつも元気で笑顔を絶やさない彼女と、全国でも有数の水揚げを誇る浜田市から、山陰の小京都と呼ばれ古い町並みが今なお残る津和野の町へ旅します。 今回の旅のテーマは「故郷へ続く道」とでも云いましょうか。 旅をする口実はなんであれ、旅の途中で目にする風景が一つ一つ絵画のように心に残る、そんな平野さんの島根の旅の始まりです。

 



 
         
 

公設魚市場

さて、平野さんの旅の恒例ともなりました魚市場巡りから今回も旅が始まります。まだ日の昇りきらない薄暗い中を、持参の長靴をはいて浜田市の魚市場へとおじゃまします。浜田市は昔から天然の良港に恵まれ、山陰第一の漁業都市で港町として栄えたところです。おじゃました魚市場は、もともと仲買の為の市場なのだそうですが、一般の人たちも魚を買う事が出来、21軒の魚屋が立ち並びます。ここで驚くのが、その魚の安さ。サバが一尾150円、中ぐらいの真鯛が400円などなど、安くて口元が自然と笑ってしまうほど。もし旅の最終日だったら、たくさん買って帰ったのにと平野さんを含めスタッフ一同なんとも悔しい想いが残ります。 港には船が行き来し、一仕事終えた漁師さんと立ち話をしながら、これから続く旅への期待に心弾ませる平野さん。おちゃめにも長靴を履いたまま勢いよく町へと向かいます。浜田市を散歩しながら散策です。

 

 
         
 

「赤天・長天」

商店街を歩いていて見つけたのが、浜田名物「赤天」「手打ち長天」と染められた看板。店の中を覗き込むと、なんとも天ぷらの揚がる良い香り。その香りに誘われるように、店のご主人山本さんに案内されて作業場へ連れていってもらいました。「赤天」とは、魚のすり身に唐辛子を混ぜて、パン粉で揚げた「赤いさつま揚げ」の事。昭和の初め頃から作られており、浜田では今でもおやつやビールのおつまみにと人気の名物品。「あかてん」と聞いて別のものを思い浮かべ苦笑いをするスタッフもちらほら。。。。   
さてお次に教えてもらったのが「手打ち長天」。皆様だいたいどんな物か想像つくのではないでしょうか?説明は番組を見てからのお楽しみにとっておきたいと思います。ところで、平野さんがおじゃましたこの山本蒲鉾店。めずらしいのは、その「手打ち長天」の作り方。機械など工場で作る所も増えているようですが、一枚一枚手作業で作っているのが山本蒲鉾店の良さでしょうか。弾力があってもちもちしている山本店のさつま揚げの秘訣は、どうもここに隠されている様子です。40年以上やっているというお母さんお父さん達の名人芸を、どうぞお楽しみに。

 
 
         
 

島根県立しまね海洋館アクアス

この町にユニークな展示やショーで人気の水族館があると聞いて、さっそく訪ねてみる事にします。2000年にオープンしたこの水族館の名前はアクアス。アクア(AQUA:水)とアス(明日、US:私たち)という言葉を組み合わせて出来たこの名前には、海や自然をまもる心を育んでもらいたいと、「青く美しい海と未来」という意味が込められたといいます。 そんなアクアスの目玉は、目の前の日本海の魚の展示。水族館の職員自らが漁へ出かけ採取したり、漁師さんが持って来てくれた魚など、200種以上が泳いでいます。 また館内を少し進めば、これはびっくり!のサメ大水槽に到着です。島根の神話や山陰の昔話には、たびたび登場するサメは、人々に恐れられる一方で、神の使いとしても崇められ、日々の暮らしに深い関わりを持ってきたそうです。そんなサメ大水槽が「神話の海」と名付けられているのもそこからきているようですが、サメ大水槽のトンネルも抜け、大はしゃぎの平野さんにスタッフ一同。しかし通り過ぎる恋人や家族連れを横目に、羨ましい気持ちなきにしもあらず。。。。 最近人気だというバックヤードツアーにも参加し、水族館の裏側を見学させてもらった平野さん。さてお次は白イルカ!

 




 
         
  幸せのバブルリング

開館以来水族館で人気を誇っているのが、この白イルカ、アーリャのパフォーマンスショー。ロシアのウラジオストックから来た大型のイルカで、一番の特徴というのが、口が柔らかい事。そんな特性を活かして生まれたのが、「幸せのバブルリング」。元々遊び好きで好奇心の強かったアーリャの遊んでいる様子を、トレーナーの前原さんが偶然見つけ、トレーニングの末指示通りに出せるようになったリングだそうです。どんなリングかは、放送日に映像でぜひご覧下さい。昨年の11月には、海洋生物のトレーナー国際会議で様々な賞も授与されたというトレーナーの前原さんから、白イルカの特徴やイルカとのコミュニケーションの話を伺います。  世界でも一頭しか出せないというこのバブルリングを見て、ほんわか幸せ感に満たされつつ、浜田を背に津和野の町へと向かいます。
 



 
         
 

浜田市〜津和野町

JR山口線に乗って、浜田駅〜津和野駅まで向かいます。晴れていれば車窓からは日本海が眺められ、また津和野へ近づくにつれて見えてくる山里の風景への移り変わりは、どこか心を遠くの町へと解放し、旅をしている感覚に拍車をかけてくれるでしょう。津和野は平野さんも一度は訪ねてみたかった城下町。「遠くへ行きたい」のオープニングでもお馴染みの画家・安野光雅さんの故郷でもあります。津和野町は県の最西端に位置する町で、西は山口県に接し、“山陰の小京都”と呼ばれてきました。

   
         
  安野光雅美術館

津和野の駅の改札を出れば、通りのすぐ左に安野さんの美術館があります。 昔の小学校の校舎をモチーフに作られた安野さんの美術館には、「懐かしい」という気持ちを引き起こしてくれる暖かさがあります。最近見られなくなった木造校舎の持つ暖かさの中で、安野さんの絵を見ながら津和野の町への旅のスタートです。
     
         
  津和野町散歩

津和野町は江戸時代、わずが4万3千石の小藩であったにも関わらず、農業や和紙産業などで大変栄え発展した町でした。また津和野藩では教育にも力を注ぎ、後に文豪の森鴎外や哲学者の西周など、数多くの人材を輩出してきました。そんな歴史の面影をどことなく残す、古い町並みを散歩します。 さて、古い商店街を歩いていると、おもしろいものを見つけました。土間に野菜の種を並べて売る種苗店です。100年以上の建物で、大変珍しい「蔀戸」(しとみど)と呼ばれる雨戸があります。店の俵さんから建物の話を聞きつつ、立ち話です。

   
         
  旅館「明月」

宿探しというのは、「旅」にとってかかせない大事なもののような気がしますが、今回の津和野町で見つけた旅館は創業100年以上という老舗の「明月」さん。どこかしとやかさが町を漂うこの津和野町にぴったりな旅館で、ここのご主人から郷土料理を頂きます。津和野の郷土料理には必ず魚が使われており、一品一品丁寧に作られた料理の美味しさに、感激のあまり涙が溢れそうな程。また郷土料理の一つであるこの時期によく食べられるという「うずめ飯」も御馳走になります。何故「うずめ飯」と呼ばれるかというと、まあ色んな説があるようですが、贅沢に見せず、質素に装ったというのと、山菜の祖末さをはばかって伏し目がちに出すからだという説と色々です。けれどもどちらにせよ、とても美味しいのがこの「うずめ飯」。家庭によって入っている具や、味付けなど多少違うようですが、この慎み深い郷土料理の一つを見ても、ここ津和野に住む人の人柄が見て取れるようです。どこか温かい持てなしに、心身共にゆったり気分に浸ります。
 

 
         
  石州和紙

山の寒冷地である津和野では、ほとんどお米がとれませんでした。その代わりに藩の財政を支えたのが、紙すき・石州和紙作りです。津和野藩は年貢を和紙で納めており、昔は和紙が漉けないと良い所へお嫁に行けないとまで云われるほど、男の人から女の人まで皆が和紙を漉けたそうです。
※和紙人形 その石州和紙を使って、四十年に渡り和紙人形を作って来たのが、町で民芸茶房を営む俵悦子さん。きっかけは子供の夏休みの宿題の手伝いだったと言いますが、立体の和紙人形の存在感はハッと息を飲むほど。俵さん自身が、子供時代に遊んだ時の様子を思い出して作った人形の作品は、愛らしくて懐かしい雰囲気をもつもの。また、「毎日その日の気分で、別の表情を思い浮かべるの」と教えてくれたのが、「連想姿人形」。俵さんが考えたというそのお人形のお顔には、口紅だけが塗られ、にこやかに笑っています。さて、今日はどんな表情に見えるでしょうか?
 


 
         
  「故郷とは子供時代の事なのである」と安野さんは言います。自分たちが子供の頃に遊んだ時の、その背景に映る風景とは、安野さんが云うように今になればみんな共通の子供時代の世界なのかもしれません。津和野の風景には、どこかそんな懐かしい色があるようです。さて番組をご覧になった方にも、懐かしい時間を思い出すようなひと時になればと思います。平野文さんの島根の回をどうぞお楽しみに。    

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