今回の旅先は、新潟県 津南町と長野県 栄村にまたがる秘境秋山郷です。信濃川の支流 中津川を挟むように、両側に山が聳える急峻な土地に点在する集落と温泉。そこでは、今も昔ながらの暮らしを垣間見ることができます。豪雪地帯で知られる、秋山郷の実りの秋はアッという間。そんな秋の秋山郷を、温泉好きの益子直美が旅します。
最大積雪位
豪雪地帯の秋山郷、冬の積雪量は想像を絶します。今回は萌木の里にある、平成18年の積雪量を記したものを見に行きます。その高さはなんと5m以上!昔から雪と共に冬を過ごしてきた人たちにとっても、建物を覆ってしまうくらいの雪の量には、どうすることもできず、臨時休業をする事態になったそうです。長身の益子さんも、その高さにはビックリです。
見上げると、木とほぼ同じ高さです!
木鉢
秋山郷は、古くから粉食を中心とした食文化が育まれてきました。その粉食文化に欠かせないのが木製の捏ね鉢、木鉢です。日本最大木鉢がこの秋山郷にあります。その大きさに益子さんもビックリ。更に、秋山郷の木鉢ならではの特徴を聞いて、またまたビックリ。秘境ならではの暮らしや歴史によって出来上がった独自の木鉢に、先人の知恵を感じます。
日本最大木鉢。人がすっぽり入ってしまいます。
天井焼き
秋山郷のある長野県栄村には、気候や風土から生まれた郷土料理が沢山あります。昔は、おばあさんからお嫁さんに。そして、お嫁さんからその娘へと受継がれてきた郷土料理。それが今では食文化の変化で、地元の食が変わってきました。そんな中、地元の郷土料理を残そうと「レシピ本」を作った主婦仲間を訪ねます。そこで出会ったのは「てんじょう焼き」と呼ばれる郷土料理。さてさて、どんな料理に仕上がるのか・・・。
食だけでなく、昔からの生活の知恵を使った暮らしが日常的に残っている栄村。そんな暮らしに惹かれて、この村に移住してきた、ケビン・キャメロンさんと川渕友絵さん夫婦がいます。ケビンさん夫婦は、この村の自然・そして昔ながらの暮らしや文化を感じてもらいたいと、ツアーガイドをしています。そんなお二人の案内で、冬に備えて「大根つぐら」を作っているという、おじいさんを訪ねます。
切明温泉 秋山郷の一番奥の集落にあるのが切明温泉。スコップ片手に川原へ歩いていくと、川のほとりからモクモクと湯気が上がっているのが見えます。そうです、切明温泉は川原に湧き出す野趣溢れる温泉です。川原を掘ると、熱いくらいの温泉出てきて、冷たい川の水と混ぜてお湯に浸かります。秘境の秘湯ならではの風景に、心身ともに温まります。
そばまつり
毎年この時期に、今年採れたばかりの新蕎麦を使って行われるのが「そばまつり」です。そこを訪れると、蕎麦を打つ人たちの姿が。しかし、この人たちは仕事もバラバラ。そんな人たちが集合するキーワードは、「豪雪」だそうです。平成18年の豪雪で、道が遮断され孤立してしまった秋山郷。そこで設立されたのが自治体も県も越えてできたNPO法人「GO雪共和国」です。大統領の相澤博文さんの案内で、「はやそば」をいただきます!
そばまつり会場 「早そば」は、その名の通り、あっという間に固まっていきます。
キノコ狩り
山の味覚の代表、キノコを求めて、引き続き大統領の相澤さんの案内で、山へ入ります。今年は雨が少なかったせいか、近年稀に見るキノコの不作の年なんだそう。なかなか見つからず、2人はキノコを求めて山の中をどんどん進んでいきます。すると、そこには不作の年とは思えないようなキノコが・・・。収穫したキノコを使って、キノコ汁を作ります。キノコのダシがあれ醤油だけのシンプルな味付けで、とても美味しいキノコ汁ができ、その味に益子さんも感動です。
一年の内の5ヶ月間、雪に覆われる秋山郷。ここでは実りの秋は、アッという間に通り過ぎてしまいます。長い冬を目の前に控えた、秋山郷の人たちとの出会いの数々。その出会いを通して、秘境といわれる秋山郷の暮らしに、少し触れることができた気がしました。そんな秘境めぐりの旅を、どうぞお楽しみください。