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(c)安野 光雅
 

みどころ

 
         
 

今回の旅先は、東京から3時間、青森新幹線の終着駅である青森県八戸市。過去番組の取材では何度も八戸に訪れている佐々木ディレクター曰く、「対面商売や手仕事の一品商売の店(1つの商品だけに特化した商店)がこんなに残っている町は、今や日本中でも珍しい」のだそうです。確かに地方都市と言えば、郊外に巨大な駐車場を備えた大型量販店が出来、市街地の商店街はシャッター通りという風景が多い中、この八戸の商店街や市場の賑わいは、かなり稀有なものかもしれません。そんな八戸で、町の人々が一丸となって盛り上がっているのが、毎年7月31日から8月4日にかけて行われる「八戸三社(さんしゃ)大祭」。好奇心は人一倍、人と関わり、話をするのが大好きな原田大二郎さんが、この三社大祭を目指して、八戸へ向かいます。

 

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三社大祭の山車の前で、参加する気まんまんの原田さんです。

 
         
 

片町朝市

さて旅の始まりは、片町の朝市から。朝5時半だというのに500mほどの通りの両側には露店がビッシリと並び、地元の買物客も大勢やって来ます。この朝市の特徴は、何と言っても観光朝市ではなく、地元の方々が食料や雑貨などを売り買いする場所だということ。生産者がその日採れたものを売り、地元の生活者がそれを買うという、真に正しい“市場”の原点がここにはあります。この片町の朝市は野菜や果物中心の青物市場ですが、実は八戸には他に鮮魚中心の市場もあります。こんな元気な市場が2つも3つもある八戸、生活者の皆さんのパワーには、ただただ驚くばかりです。

 

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皆さん朝の3時頃から店を出しているとのこと!7時には車輛通行が始まるので一斉に店仕舞いしてしまうそうです。

 
         
 

煮玉子屋さん

朝市を後にして町歩きをしていると、ある一軒の商店のガラス戸に「たまご屋」「味付け玉子あります」という貼り紙を発見。どうにも気になる原田さん、店の中を覗いてみると、ご主人が真っ黒になるまで煮込まれたゆで玉子をパック詰めしているではありませんか!店の中には甘辛い醤油の匂いが漂い、鍋にはグツグツと美味しそうに煮える玉子の山・・・町中の人たちに親しまれ、40年近く味付け煮玉子を作り続けている、沖野さんご夫妻にお話を伺います。

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真っ黒になるまでじっくり煮込んだ味付け玉子。親子連れや部活帰りの中学生など、次から次へと買いに来る地元の名物、1個30円!

 
         
 

草履屋さん

さて次に見付けたのは、間口一間ほどの店の前に、山ほど草履や下駄が並べられているお店。奥行き二間ほどの店内を覗くと、ご主人の金田さんがちょこんと座って、下駄の鼻緒を取り付けている最中でした。両足で下駄を押さえ、口に鼻緒の紐をくわえて両手で下駄の穴に紐を通し、結び付ける。その作業がまた早いこと早いこと!68年この仕事を続けているという金田さんのお手並み拝見です。

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文字通り“山のような”下駄や草履に囲まれて、嬉々としながら仕事に励む金田さんです。
 
         
 

蕪島のウミネコ

蕪島(かぶしま)とは、八戸の市内からすぐ、漁港の外れにある小さな島のこと。かつては離れ小島でしたが、昭和17年に海軍によって埋め立てられ、陸続きになりました。ここはウミネコの一大繁殖地として知られ、毎年4月から7月頃まで、最盛期には4万羽のウミネコが飛来するそうです。また島のてっぺんにある「蕪嶋神社」では、あることをすると、ウミネコにまつわるちょっと面白い証明書がもらえるのです。八戸の自然に詳しい関下さんに案内していただきます。

 

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全国にウミネコの繁殖地は10箇所ほどあるそうですが、これほど人家が近くにある場所は大変珍しく、大正11年に国の天然記念物に指定されたそうです。
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白い羽を広げて風にのり、一斉に舞う姿は思わず息をのむ美しさ!

 
         
 

鉈(なた)一刀彫

八戸には昔ながらの手仕事も、まだまだ残っています。市街地から車で20分、緑豊かな稲穂が風に揺れる農村地帯・笹子集落。築百数十年という茅葺の家に住むのが、大久保直次郎さん。大久保さんは曽祖父の代から4代、八幡馬(やはたうま)と呼ばれる民芸品を作り続けてきました。使うのはほぼ鉈一本だけという、手業が勝負の一品です。素朴で温か味のある八幡馬作りを、作品同様に穏やかで素朴な人柄の大久保さんに見せていただきます。

 

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昔は農家の人々が農作業の合間、小遣い稼ぎに作った子供向けの玩具だったそうです。

 
         
 

三社大祭の山車

さて八戸の人々の「手仕事の集大成」とでも呼べるようなお祭りが、ちょうど開かれようとしています。それが、毎年7月31日から8月4日にかけて行われる「三社大祭」。江戸時代から280年以上の歴史を持ち、おがみ神社、神明宮、新羅(しんら)神社という三社の神輿を中心とした神社の行列が、五穀豊穣を願って八戸の中心街を練り歩きます。この祭りの最大の見所は、何と言っても各町内ごとに出す豪華絢爛な山車の数々!その数全部で27基、行列の総延長は3キロ以上にも及び、2時間半に亘って大通りを進むのです。

そしてさらに驚くのが、この山車を制作しているのがプロの山車師ではなく、一般の市民の方々だということ!祭りの準備は正月過ぎから始まり、5月頃からは殆ど休みなし、皆さん仕事が終わってから集まって、壮大な仕掛けから人形や小物まで、全て毎年新しく手作りするのだそうです。祭りを2日後に控え、大詰めを迎えている夏坂和良さんの山車作りの現場を訪ねます。

 

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襲いかかって来るのではないかと思うほどの圧倒的な迫力!この神々や妖怪たちが、仕掛けで動くというのだから驚きです。

 
         
 

そしていよいよ迎えた三社大祭の当日

原田さんも夏坂さんの山車行列に参加、徹夜で仕上げ作業をしたという見事な山車を一緒に引いて歩きます。夏坂さんの山車には、八戸の神々の人形が次々とせり上がり、龍が煙を吐くなど、壮大な仕掛けが用意されているといいます。果たしてそれらはうまく作動するのでしょうか!

 

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原田さんも、夏坂さんたちと一緒に山車を引っ張りました!

 
         
 

この三社大祭に懸ける八戸の人々の情熱は、尋常でないものがあります。祭りの準備にかける時間と手間、そして祭り当日の、子供からお年寄りまで町中が参加しているという熱気。一般の人たちが集い、顔と顔を突き合わせて手仕事に情熱を傾ける、八戸らしさの集大成がここにあるのかもしれません。そんな八戸気質が感じられる次回の「遠くへ行きたい」、お楽しみに。

 

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