今回の旅先は、本州の最北端に位置する青森県・下北半島。マサカリのような形をした半島を、下から上まで、縦断します。旅人は作家の夢枕 獏さん。釣りが趣味という夢枕さん、ご自身の著書にも釣りがテーマのものがあります。「北限の地で贅沢な釣りをしたい!」夢枕さんの要望はかなえられるのでしょうか。意気揚々と出発です。しかし・・・電車の座席で夢枕さんが取り出したのは、万年筆と原稿用紙。「今日締め切りの原稿があるんだよねぇ、はっはっは」と笑いながらも、集中して執筆されていました。
旅人の夢枕 獏さん(作家)
北の漁港で珍味に出会う! JR大湊線の終点に到着。活気ある移動販売の魚屋さんや、漁港で暮らす方々と触れ合いながら、漁港の空気を楽しみます。美味しいものないかなぁ、と探していると、「フジツボ」を養殖している方に出会いました。そう、あのちょっと見た目が奇抜な「フジツボ」です。下北半島では、塩茹でにして殻から直接食べるんですって!え、「フジツボ」って美味しいの?夢枕さん、どうなんですか?
移動販売の魚屋さんは、近所のお年寄りのために家々を回ります。 養殖をしている八戸さんが、フジツボを丁寧に洗ってくれます。 塩茹でしたフジツボに、挑戦!
下北半島といえば、日本三大霊場の「恐山」が有名ですよね。死者に会えるといわれている恐山ですが、今回見せてもらうのは「生」の営み。酸性の強い湖で、唯一生き延びている淡水魚を紹介してもらいます。その淡水魚は、みなさんもよく知っている種類の魚なのですが・・・
荒涼とした恐山の「無間地獄」を歩いて・・・ 酸性の強い「宇曽利湖」へ出ました。 淡水魚の研究をしている大八木昭さんにお話を聞きます。
次は、海で育つ淡水魚
恐山をあとにし、津軽海峡をのぞむ大畑漁港へといっきに北上。海の向こうは北海道!の、はずが、翌朝は濃い霧で何も見えず・・・。ここでも、変わった淡水魚が見れるというのですが。夢枕さんを乗せて行く漁船は、いったいどこへ行くのでしょうか・・・。
宿に戻って、お仕事=遊び?
宿に戻ると、小説の締め切りが待っていました。作家という仕事について、「僕は仕事と遊びが一体になっている、仕事が好きなんだろうなぁ」と語る夢枕さん。小説のアイデアに関する貴重なお話まで、聞けちゃいました。
執筆の様子をのぞき見
本州最北端での、珍味、淡水魚たちの不思議な営み、そして夢のような渓流での釣り。地の果て、というちょっと怪しい雰囲気と、本州の端っこだ!というすがすがしさ、どっちもあるのが下北半島なんです。いくつもの物語を感じられる旅に、出かけてみませんか。次回、お楽しみに。